美智子“女帝”は何を壊したのか 寛仁殿下までも漏らした「苦言」が明らかに

文/佐藤公子

社長夫人・美智子さまは「女帝」

戦後皇室を駆け抜けたスーパーアイドル・美智子皇后陛下。それまでにない平成皇室の特色の一つは、皇后陛下がともかく表に立ったことだ。昭和天皇の后・香淳皇后がほとんどメディアの前に姿を現さなかったのに対し、美智子さまはご自身の写真集まで宮内庁監修で発刊してしまうほどだ。

平成のあいだ「慈愛の美智子さま像」ばかりが報じられてきた。国民に寄り添うお人柄のみならず、華やかな衣装に、個性的なお帽子と絶えず国民を魅了してきた。しかし平成初期はそのような偶像化された“美智子さま”だけが報じられるわけではなかった。時には「社長夫人」「女帝」など辛辣な批判を紹介する記事もあった。

たとえば、あるとき両陛下が栃木県の御料牧場を視察される予定だった。だが、その近くに正田家(美智子さま実家)が経営する日清製粉の工場があり、たまたまその工場で労働争議が起きていたため、美智子さまのご意向で訪問は全キャンセルとなった。この時の様子をさる宮内庁職員は次のようにコメントしている。

宮内庁職員「社長夫人のお気持ちがわからないわけではありません。でもそれは、宮内庁の事務方が判断すべきことではないでしょうか。夫人が注文されるから、現場が混乱する。司、司ということを理解しておられない。ご結婚当初にいじめられていた反動なんでしょうが、今の社長夫人はまさに女帝です」

『サンデー毎日』1993年6月27日号

美智子さまに対する侍従たち、寛仁殿下の不満

社長夫人、女帝と揶揄されていた美智子さま。昭和の頃から仕えていた侍従たちの離反は避けられようもない。1993年に『サンデー毎日』『宝島30』は、平成皇室に不満を持っていたK元侍従(実は小林忍氏)が受勲を辞退したというスキャンダルを報じた。当時の関係者の証言によれば、

「私はそこまでしなくても、と思ったんですが、気持ちはよくわかります。いまは二頭政治ですからね。こっちと、あっち」と言いながら、親指と小指を立てた。こっちとは天皇陛下、あっちとは美智子さまを指す。

「いまでは、お言葉にしろ、拝謁にしろ、日程、行き先、何から何まで、両方の陛下のご承諾が必要なんです。こっちがいいと言っても、あっちが首を縦に振らない」

『サンデー毎日』1993年6月27日号

K元侍従(小林忍氏)が受勲を辞退した原因は、どうやら二頭政治に、つまり美智子さまの台頭にあるようだ。皇室ジャーナリストの工藤美代子さんも、自著『美智子皇后の真実』(幻冬舎)のなかで、「この記事の極め付きは、平成に入って皇室行事の主語が「天皇」から「天皇・皇后」に変化したと読める指摘であろう」と平成流の特異性を指摘している。

事実、受勲を辞退した小林忍侍従の日記にも、「天皇皇后両陛下揃って」という平成流が批判されている記述がある。

1992(平成4)10月20日(火曜)

皇后陛下お誕生日。皇族の祝賀の際(単独)両陛下というのはいかがなものか。皇后陛下お一人がよいのでは(四長官や元皇族(列立)は皇后陛下のみ)と寛仁殿下のお尋ねが樋口氏にあり、それについて我々の意見をききたいとのことで色々話した(中村氏のくる前)。

我々の意見ではお一人がよいと思うが、何事もできるだけお揃いでというのが平成流だから、いずれにしても手塚〔英臣〕事務主管にお尋ねのあったことを伝え、その意見、説明をお答えとするのがよいと話した。

小林忍『昭和天皇 最後の侍従日記』文藝春秋、1999

驚くべき一文だ。なんと侍従たちのみならず、“ヒゲの殿下”として知られる寛仁親王までもが、平成流に苦言を呈していたのだ。宮内庁内で猛反発を受ける「平成流」とは一体何なのであろうか?

国民に寄り添わない平成皇室

しかし「何事もできるだけお揃いで」というだけで、ここまで侍従たちや皇族方の反発を招くものだろうか? 昭和天皇と香淳皇后も“お揃い”で活動されることは幾度もあったが、このような反発は招かなかった。

この疑問に明快に答えているのが元東宮侍従を務めていた浜尾実(1925-2006)だ。1993年に“美智子さまバッシング”が起こる前から、次のように平成皇室の問題点を指摘していた。

浜尾実「両陛下は常々、「国民と共にある皇室、国民と苦楽を共にする皇室でありたい」とおっしゃってきました。しかし、最近の皇室を見ていると、お相撲見物や音楽会、観劇などへのお出かけばかりが多く、“楽”ばかりを共にされている」

『週刊文春』1993年4月15日号

さらにその半年後、“美智子さまバッシング”が起こった後には、次のように美智子さまに苦言を呈す。

浜尾実「率直に申し上げて、美智子さまはクレバーだけれども、ワイズではない。そして、あまりにも、ご自分の人気や評判をお気になさりすぎる。そんなことは超越して、もっとおおらかであっていただきたい

『週刊文春』1993年9月16日号

クレバー(小利口)ではあるが、ワイズ(思慮深い)わけではないとは辛らつだ。長く東宮侍従としてつとめた浜尾氏の言葉だけにより重みがある。このように考えるならば、平成皇室は「両陛下そろって」いたように見えて、実は「美智子さまの独断専行」がまかり通っていただけのかもしれない。それが侍従たちや寛仁殿下の反感を買い、内部密告者を生み、美智子さまバッシングに繋がっていったと考えるのが自然ではないだろうか。

側近たちを信頼しなかった美智子さま

ところで、元宮内庁職員の小内誠一さんの目には、当時の平成皇室はどのように映っていたのであろうか? 話を伺った。

美智子さまが率先して動かれ、天皇陛下(現、上皇)が事後承諾するというケースが度々ありました。侍従たちの反発は相当なものがありましたし、美智子さまもそれをご存じだったでしょう。週刊誌からバッシングを受け、声失症になられた時も、紀宮さま(黒田清子さん)が献身的に付き添われましたが、これは『周りの職員は情報を外に流すから信用できない』の裏返しでしょう。また寛仁親王は、非常に保守的な考えを持たれた旧守派の方でしたから、美智子さまの”改革”を苦々しい想いでご覧になっていたこと思います」(小内誠一さん)

また美智子さまの職員不信は、それ以前からあったという。

「長らく東宮女官長をされていた牧野純子さんとの不仲は有名です。美智子さまの結婚に反対していた松平信子(東宮参与)さんの御指名で牧野純子さんは東宮女官長に決まったため、美智子さまからすれば“お目付け役”にしか見えなかったようです。

そのことが尾を引いてでしょうか、昭和44年に牧野女官長が退職した後も、美智子さまも明仁皇太子(現、上皇)も、侍従など職員らと一定の距離を取られていた。私は若手のヒラだったからあまり気になりませんでしたが、長く務めてきた人たちには辛かったでしょう。そのような冷たい態度が昭和時代からの宿老たちの反感を買ったのだと思います」(小内誠一さん)

美智子さまの冷たい態度といえば、退職する小林忍元侍従に一言も声をかけなかった事案が思い浮かぶ。

1993(平成5)年3月31日(水曜日)

侍従職御用掛退職(注)。10時前に長官から退職の辞令をもらう。
午後2時、宮殿鳳凰の間、両陛下お揃い。陛下から「御苦労でした。皇太后陛下のこと宜しく、からだを大切に」と、皇后陛下からはない。

(侍従職御用掛退職=小林氏は侍従職御用掛を退職し、4月1日から皇太后官職御用掛に就く香淳皇后の側近職員としての異動)

小林忍『昭和天皇 最期の侍従日記』文藝春秋、2019

美智子さまバッシングの情報源が、宮内庁内にあったことは間違いないことが明らかになっている。しかし職員らの離反を招いた原因は美智子さまにもあったと言わざるを得ないだろう。かかる意味で、美智子”女帝”が破壊してしまったものは、職員たちとの「信頼関係」にあったのかもれない。

16 件のコメント

  • 浜尾実「率直に申し上げて、美智子さまはクレバーだけれども、ワイズではない。そして、あまりにも、ご自分の人気や評判をお気になさりすぎる。そんなことは超越して、もっとおおらかであっていただきたい」

    27年前の浜尾さんの言葉に納得です。
    今は、ヤ〇ーニュースなどのコメントや皇室ブログとそのコメントに敏感に反応して、削除や閉鎖の圧をかける。まさに、浜尾さんが憂慮されている当時のままかと。
    皇室に庶民の感覚を持ち込み、皇室における絶対的なヒエラルキーをなし崩しにされた方。
    次男に嫁がれた方がそれをご覧になり(または、指南されたのか)同じように振る舞われるという悪夢のような構図。
    国の象徴として今上天皇がご在位中は安心ですが、その次の方を考えると、とても不安です。
    長子であられる敬宮様が継ぐというように、皇室典範の改正を切に望みます。

  • クレバーだがワイズではない、、、

    昭和後期から平成後半はマジックが効いた。

    時代の変化にフォロー出来なくなって久しく、色々と知ることになり、既に過去の魔法の効力が切れてしまったのは哀れでしか無い。

    そしてもうクレバーですら無く、アグリーでピューク。

  • ところが
    いつの間にか千代田はあの方の周りは殆どイエスマンだけになったのでしょう?
    退位され令和になってもいつまでも幅を利かせたのはいただけませんでした
    それは上皇陛下への忠誠心?それともあの方の恐怖政治(左遷や解雇)によるものなのでしょうか

    皇室はあの方の私物ではないのに引越しの大幅な遅延や終の棲家の改築、衣装倉庫などやりたい放題ですね
    ご養蚕すら私的な感情により眞子さまに譲られてしまうところだったそうではないですか

    あの方のなさりようは平成の間は体裁を保てたものの皇室の内部的には雅子さまがお倒れになるなどかなりのダメージであったかと思います

    マスコミは未だに平成と比較し、あたかも両陛下が平成流に従わなくてはでなければならないかのような論調を崩しません(何故皇后陛下のご活躍があるといちいち美智子さまを絡めてくるのか?きまりでもあるかのよう!謎過ぎます 調べていただけたら幸いです)
    そのような記事が出るたびに何度でも異を唱え、両陛下が思い描かれるご活動ができるよう微力ながら応援していきたいと思っております

    • 美智子はメディアを権力とお金により、自分の思うように操作してきました。まさに美智子女帝です。日本のメディアは、真実を隠し権力者の言いなりになり地に落ちました。阿部政権でも同じことが繰り返されてきました。私は、メディア放送をいつも裏読みして、信じていません。美智子のアゲアゲ記事などを書かされているジャーナリストなど飯を食うためとはいえ、恥ずかしくないのかと思ってきました。雅子様のないことないことのバッシング記事など本当に最低なメディアでした。最近では、真実が公表されるようになり、令和も少しずつ良くなっていけばと願っております。

  • ネットが美智子様の本当の姿を暴いてしまいました。献身的で謙譲心に溢れた方と思い込まされていたことに、やっと気付かされました。昔の動画や写真によって。  ワガママお嬢様のまま、お婆様になってしまわれた。

  • 他人からの評価を異様に気にするのは自意識過剰な人にありがちなことですが、普通は人の評価を気にしてそれなりの行動に(表面だけでも)なりそうなものなのに、反省はなく、他人を貶めたり事実を隠蔽したりするという方向に走るんですね。

    人の目を気にするのは、まったく気にせず非常識な行為を繰り返す人よりはマシかと思っていましたが(まったく気にしない人は、世間の人が何を問題にしているのかすら理解できないけれど、人目を気にする人は自分のどこが問題かはわかっているのだろうという点で)、奸計によって自己優越感に浸るのではちっともマシではないです。心理学の教科書にでも載りそうな感じ。

    結局、自分から大喜びで皇室入りするような成り上がり者はものすごい自意識過剰な人ばかりなのでしょう。美智子さんはそれを上品そうに押し隠そうとしてましたけどね。
    昔、本多勝一あたりが、「美智子妃殿下は明仁皇太子に熱望され、いやいや添わされた」という暗黙の了解のもと(昭和の時代はこういう認識の人が多かった。聖心大首席卒業を信じていた私の親も「あんな美人で頭のいい家柄もいい女性は、あんな皇太子でなくもっと良い嫁ぎ先がいくらでもあっただろうに」と常に言っていた)、「明仁は美智子様を即刻皇室から解放せよ」みたいな主張をしていたけど、今となっては大笑いです。

  • この記事は、私の知らないことばかりで、とても新鮮でした。

    「クレバーだけども、ワイズではない。そして、あまりにも、自分の人気や評判を気にしすぎる。そんなことは、超越していただきたい。」深いですね。

    浜尾実さんは、皇室を愛し、弥栄を願っていたのですね。この言葉を謙虚に受け入れ、自己啓発したのでしょうか。それとも、無視して、今まで通りだったのでしょうか。

  • 19:15さま
    女帝さまは歴代始まって以来の偉大な慈愛あふれる皇后陛下でございます
    進言する方たちは 御自分から遠ざけ 職を外され
    皇室を去らせてもなお 憎しみはそれはそれは大切になさっていらして例え月日が流れようともお衣装と同じで増えることはあれ 減ることはございません 浜尾さんにもお亡くなりになっても冷たい対応はさすが女帝さま一本筋が通っていました
    猿でもする反省なんて なさったことはございません

  • 最近、平成時代の皇室の実態が明らかになってきた。当時は女性週刊誌が真実そっちのけ皇室のあげ記事ばかり書いていた。国民特に女性はすっかり騙されていた。大いに反省しましょう。

  • 戦後皇室を駆け抜けたスーパーアイドル・美智子皇后陛下。
    それまでにない平成皇室の特色の一つは、皇后陛下がともかく表に立ったことだ。
    昭和天皇の后・香淳皇后がほとんどメディアの前に姿を現さなかったのに対し、美智子さまはご自身の写真集まで宮内庁監修で発刊してしまうほどだ。

    美智子様は、妃!何故 陛下より、目立とうとされて いたの?
    いまだに、その傾向 ありますよね?

    上皇様が、退位されても 美智子様は 天皇陛下よりも 目立とうと している。

    今は、令和時代!もう美智子様の時代は 終わりです!
    美智子様の行動で、古の皇室は 失われました。

    お衣装代、もうなしで!今までの、お衣装で、着回してくださいませ!

    上皇様、お身体お大切に!
    上皇様、眞子さま!さいか 取り消してくださいませ?

    借金を、返せない?返そうとしない?書類? 録音しているから?
    ちょっと信じられない?!

    それを、許そうとしている?
    全く信じられません!

  • まぁ、今となればクレバー
    でしたが、ワイズではない方
    引退されて大人しくしていて
    ほしいですね‼️2代目が居ますが
    そこもすでに崩壊してます‼️
    後は、今上陛下と皇后陛下に
    お委せ下さいね
    令和のやり方を応援致します
    過去は終わりました。

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