秋篠宮さまの“動物園訪問”はご公務か? 「仕事です」と断言された過去



文/佐藤公子

私的研究を“仕事”と表現する秋篠宮殿下

公務の傍らでそれぞれの専門分野のご研究を続ける皇族方。昭和天皇は生物学者として海洋生物や植物の研究に生涯に渡りお取り組みになった。また、今上陛下は歴史学(交通史、流通史)を専門とし、特に水問題のご研究や講演活動に熱心にお取り組みになっている。

これらのご活動は全て私的なもので、今上陛下や上皇陛下のご研究や講演活動に関する費用などは、ほとんどが私費である内廷費で賄われている。

一方、秋篠宮殿下は私的なご研究を「仕事」と位置づけている稀有な皇族だ。

たとえば、1988年(昭和63年)から2年間、オックスフォード大学セント・ジョンズ・カレッジ大学院動物学科に留学していたときのことを、プライベートでも交友関係を築く江森敬治氏にこう語っている。

できるだけ起きている間の時間は自分の仕事のために有効に使おうと思った。それこそ寝る時間が惜しかった。
楽しみはやはり、ニワトリの写真を撮りに行くことだったし、仕事をしていること自体がとても楽しかった。

『秋篠宮さま』(江森敬治、1998)

家禽類に対する並々ならぬ情熱を捧げる秋篠宮殿下だが、私的研究に関することを仕事と位置づけられていることがわかる。

こういった殿下のお考えは、現在の殿下の公務にも多分に反映されていて、様々な動物に関する団体の総裁職をお持ちであり、これらの団体関連の公務に年間何度も出席されることで、長年“公務に熱心な秋篠宮”というイメージを築いてきた。

  • (公財)山階鳥類研究所 総裁
  • (公社)日本動物園水族館協会 総裁
  • (公社)大日本農会 総裁
  • (公社)大日本山林会 総裁
  • (公社)日本植物園協会 総裁
  • (一財)家畜資源学術標本基金 総裁
  • (公財)世界自然保護基金ジャパン 名誉総裁
  • 特定非営利活動法人 全日本愛瓢会 名誉総裁
  • (公財)日本ワックスマン財団 名誉総裁

皇嗣としての公務に注力されるべき

しかし、私的な趣味の範疇である分野の公務を多く引き受けていることには弊害もある。ある宮内庁関係者はこう話す。

「こちらが把握しているだけでも、秋篠宮殿下は1985年から9回ほど“ご研究”という名目でタイにご旅行をされています。

例えば、1996年4月、秋篠宮殿下がクリントン・アメリカ大統領の歓迎宮中晩餐会を欠席し、私的にタイへ旅行されたという事がございました。

当時これは物議を醸し、こういった事のつじつま合わせはこちら任せ、というところに苦労がないわけではありません」(宮内庁関係者)

当時の『週刊新潮』にはこうある。

秋篠宮殿下(30)が今月17日から単身でタイを訪れる。目的はお馴染みのナマズの研究ということだが、折りしも来日するクリントン大統領夫妻の宮中晩餐会は欠席することになった。なぜ公務よりも私的な旅行を優先されたのか。しかも、昨年9月、今年3月と度重なるタイ訪問。殿下の決断を訝る声も出ているのだ。

(中略)

「クリントン大統領の公的な行事を欠席してタイに行く、という報道を見たとき、また秋篠宮さまの性格が出たなと思いました。秋篠宮さまは幼いときから良くも悪くもわがままでしたから」

本来なら天皇ご一家でクリントン夫妻をお迎えするところなのに、秋篠宮さまが不在では両陛下も心配されていることだろう。 

宮内庁は“苦渋の選択”を強調するのだが、タイ訪問はあくまで私的な旅行なのである。

『週刊新潮』1996年4月18日号

しばしば、公私混同が懸念されてきた秋篠宮殿下。動植物やタイを愛するがゆえに、時には私的ご研究と仕事との区別が曖昧になってしまっている部分がお有りなようだ。

先出の『秋篠宮さま』では、「動物園に行くのが仕事」「訪ねる理由はいくらでも作れる」と堂々とご発言されている。

出るのはまったく問題はないのですが、自分が出無精なもので、外へ行くのが億劫です。ですから、たいていは家にいます。

ただ、子供たちを動物園などに連れて行った方がいいので、そういう時は、ウイークデーに、人が少ない時に出掛けます。

動物園に行くというのは、私は、ある意味では仕事みたいなものですから(殿下は、日本動物園水族館協会の総裁を務めている)、訪ねる理由もいくらでもつきます

『秋篠宮さま』(江森敬治、1998)

人が多い休日を避け、平日に動物園に行くという“子煩悩”ぶりは素晴らしいことだ。しかし、一般社会と照らし合わせたとき、これを仕事と位置づけてしまうことには違和感を覚える。皇族のお振る舞いとして好ましく思わないと思う子育て世代も少なくないだろう。

昨年のお代替わりで、皇太子同等の待遇を得ることになり、皇族としてのお立場も様変わりした。これまでのように、「動物園に行きたい」という私的な希望を、公務に当てはめて日程を割かれることが難しくなってくるはずだ。

秋篠宮殿下には、様々な海外私的訪問を通して身につけられた国際感覚や素晴らしいコミュニケーション能力を遺憾なく発揮され、天皇陛下の支えとなってご活動される方向に心血を注いでいただきたいと願う。



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